目標17 パートナーシップで目標を達成しよう ターゲット9
開発途上国が自国の国家計画を策定・実行する際、必要な技術やノウハウ、人材を的確に整備できるかどうかが目標達成を左右します。
そのため南北協力、南南協力、三角協力を通じ、能力構築支援を集中的かつ効果的に提供し、各国が自立的に持続可能な開発を推進できる体制を強化することが求められています。
多くの開発途上国では、長期的な国家計画を策定し実行するための専門知識や組織力が不足しています。
そのため、国際機関や先進国が技術支援や研修を提供し、計画立案からモニタリングまで一貫したサポートを行うことが求められます。
たとえば、あるアフリカ諸国では、UNDPと欧州連合が合同で国家開発計画のワークショップを開催し、政策立案能力を底上げしました。
この取り組みにより、同国はインフラ整備や保健計画の優先度をデータに基づいて決定できるようになり、資源配分の効率化が進んでいます。
能力構築の中でも、特に地域やセクターを絞った支援が成果につながりやすいといえます。
南米の一国では、農村開発計画に特化した専門家チームを派遣し、地方自治体職員やNGOスタッフに実地研修を実施しました。
その結果、住民参加型の農業振興プロジェクトが成功し、農産物の付加価値向上が図られています。
また、アジアでは三角協力による中小企業支援プログラムが好評で、現地企業が製品開発から市場調査まで一連のノウハウを習得し、輸出拡大につなげる事例が増えています。
こうした的を絞った支援は、国家計画を確実に実行するための大きな原動力となります。
次回の記事では、ターゲット10について解説していきます。