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目標2.飢餓をなくそう ターゲット4

目標2.飢餓をなくそう ターゲット4

目標2.飢餓に終止符を打ち、食糧の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

世界の人口増加に伴い農業における生産量の増大が求められている中、生産性の低下や環境破壊、世界各地で多発する自然災害などが問題視されています。

2030年までに、持続可能な食糧生産システムを確保し、生産性および生産の向上につながるレジリエントな農業を実践することにより、生態系の保全、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水その他の災害への適応能力向上、および土地と土壌の質の漸進的改良を促す。

現在の食糧生産システムの問題点

・人口増加
2019年の国連報告書によれば、世界人口は現在の78億人から2050年には90億人以上に膨れ上がると予測されており、この人口の食糧を供給するためには1.3倍の農産物が必要になります。

しかし、農地に当てられる面積や資源に限界があるなど様々な問題が発生しています。

・慢性的な水不足
農業は地球の淡水資源の70%を使用しています。

世界最大の穀物生産国である中国では、川が産業に独占されているため、農業用水は地下水をくみ上げています。しかし、広大な農地をまかなうための大量なくみ上げによって、地下水位が急激に下がり慢性的な水不足を引き起こし、生産量も減少しています。

・自然環境の破壊や汚染
新たな農地開拓のための森林伐採、焼畑農業の短期化や悪質な農薬・肥料による汚染、それに伴う生態系の破壊など、農業の急拡大によって様々な環境問題が起きています。

森林減少は水不足を招き、土地の劣化や汚染は収穫量を激減させ、農業で生計を立てている途上国の人々はさらに苦しい生活に追いやられます。

・気候変動による収穫量の停滞
地球温暖化によって気温や降水パターンが大きく変化し、世界各地の農業に深刻な影響を及ぼしています。

日照時間や気温のわずかな変化であっても農業は大きな影響を受け、また干ばつや洪水などの自然災害も多発しているなど、農作物は甚大な被害を受けています。

このように、現在の農業体制はすでに限界に達しており、高齢化が進む先進国では人材不足も叫ばれています。増え続ける食糧需要に応える早急な対策が求められているのです。

農業を持続可能にする食糧生産システム
農業を持続可能にする食料生産システムの代表的な方法として次のようなものが挙げられます。

・より多くの収穫量・気候変動に強い品種への改良
・栄養価が高く、安全性の高い品種・生産法の開発
・水を節約する技術・品種の開発
・土壌を保全する植物保護製品や農業の普及
・農地拡大を抑えて森林と生物多様性を守る生産効率化技術の普及

例えば、品種改良がされた米は1961年以降2倍以上の収穫量となっており、干ばつ耐性を持ったトウモロコシはアフリカの干ばつ環境下でも20〜30%の増収が見込まれています。

また、作物を病気から守る殺菌剤は収量ロスを50%以上も減らし、耕起を減らすことができる除草剤は土壌中の水分を保ち節水に貢献します。

作物の刈り株を畑に残す保全耕起という農法では、昆虫や鳥類などのエサが増え、土壌と自然環境サイクルを保つ効果があります。

このように、生産地の事情や作物の適正に合わせて、様々な取り組みが始まっています。

次回の記事では、ターゲット5について解説していきます。

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