目標3.すべての人に健康と福祉を ターゲット4
世界の死因の約7割が非感染性疾患であり、世界経済の損失や貧困の原因になっていると考えられています。
また、若年での死亡率が問題視されており、非感染症疾患による死亡者数を減少させるための取り組みが必要です。
非感染症疾患とは
非感染症疾患は、がんや糖尿病などの「感染症ではない」疾患を表した言葉で、世界保健機関(WHO)において次のように定義されています。
“不健康な食事や運動不足、喫煙、過度の飲酒、大気汚染などにより引き起こされる、がん・糖尿病・循環器疾患・呼吸器疾患・メンタルヘルスをはじめとする慢性疾患をまとめて総称したもの”
世界の死亡原因の1位は、これら非感染症疾患によるものと言われており、WHOの調査によると、全世界の年間の死亡者5,800万人のうち4,100万人、実に71%が非感染症疾患により死亡していることがわかっています。
非感染症疾患の内訳
非感染症疾患の中で、死亡者が最も多いのは心筋梗塞や狭心症などの心疾患です。
心疾患では、年間1,790万人が死亡しており、これは非感染症疾患による死亡の大部分である43%を占めます。
その他に死因となっている病気として、がんでの死亡者が900万人、呼吸器疾患390万人、糖尿病160万人と続きます。
非感染症疾患のリスクが高い年齢と地域
心疾患や糖尿病など完治が難しい非感染症疾患には、リスクが高い年齢と地域に傾向があることがわかっています。
年齢からみると、リスクが最も高いのは、30歳から69歳の若い世代と言われ、その世代で死亡する「早すぎる」死亡は年間1,500万人にのぼります。
そのうち、80%の人が非感染症疾患の4大疾患(心疾患、がん、呼吸器疾患、糖尿病)で亡くなっているのです。
また、低・中所得国がリスクの高い地域であることがわかっています。
低・中所得国では非感染症疾患により年間800万人が亡くなっており、そのうち早すぎる死亡に限ってみると、全体の85%が低・中所得国で発生しているのです。
2030年までに若年死亡率を減少させる取り組み
世界では若年死亡率を減らす取り組みが活発化してきました。
具体的な取り組み内容としては以下のものが挙げられます。
①.非感染症疾患を防止する世界保健機関(WHO)の行動計画
②.若年層の薬物乱用、有害なアルコール摂取の防止
③.世界的なタバコ規制
これらの取り組みの実施により、非感染性疾患が原因となる若年での死亡率低下を目指します。
次回の記事では、ターゲット5について解説していきます。