目標4.質の高い教育をみんなに ターゲット5
すべての人々が公正に質の高い教育を受けられるようにするためには、脆弱層の教育へのアクセスについての改善が必要不可欠です。
特にジェンダー格差による教育へのアクセスの不平等は改善が必要な大きな問題となっています。
世界中では教育を受けられない女子がたくさんいます。初等教育や中等教育で見てもその人数は歴然です。
2018年時点で初等教育を受けられない子どもの数は約5,900万人であり、そのうちの約3,200万人は女子であるという結果が出ています。
さらに、教育を受けられていない子どものうち、女子が半分以上というのが現状です。
6歳から17歳の女子をまとめると約1億3200万人が教育を受けられず、このうちの75%が10代というデータもあります。
世界では教育における男女格差が大きな問題になっていますが、女子が教育を受けられないのには様々な理由があります。
その内の1つは、女の子だから教育は必要ないというような古い慣習です。
「結婚適齢期になれば結婚するのが当たり前」と言う考え方が根付いている地域も多く、就学中であっても結婚させられる、いわゆる児童婚があり、それによって学校へ通えなくなることも少なくありません。
このような社会・文化的習慣や規範が女子の教育を妨げている地域もあります。
また国によっては法律によって教育を受ける権利が保障されていないことも少なくありません。
その他にも男女の格差から女子が下に見られ、暴力や搾取、体罰にあう可能性や女性教員の不足も理由として挙げられています。
前述したような男女の教育格差は地域によって異なります。
世界経済フォーラムが公表している「ジェンダー・ギャップ指数2018」によると、日本は教育における男女格差はほぼ無いという評価を受けています。
その一方で深刻な男女格差が生まれている国や地域もあります。
それがサハラ以南のアフリカや南アジア、西アジア地域です。
特に顕著なのがサハラ以南のアフリカであり、前期中等教育、日本で言えば中学校を修了する女子の割合は40%程度に留まっています。
これらの地域では社会・文化的習慣や経済的理由など、先述した女子が学校に通えない理由が如実に現れている国もあるのです。
次回の記事では、ターゲット6について解説していきます。