目標7.エネルギーをみんなに、そしてクリーンに ターゲット2
世界的なエネルギー需要が増加している中、再生可能エネルギーの活用が注目されています。
一方で、化石燃料を使用している割合が高い国や地域が多く、世界的に再生可能エネルギーの活用にシフトしていく必要があるのです。
エネルギーミックスとは、加工されない状態で供給される石油、石炭、原子力、天然ガス、水力、地熱、太陽熱などの一時エネルギーを転換・加工して得られる電力が、経済性・環境性・供給安定性と安全性を重視し、電源構成を最適化することをいいます。
経済性(Economy)、環境性(Environment)、供給安定性(Energy Security)と安全性(Safety)の頭文字をとって「3E+S」と言います。
「3E」を判断する指標として、それぞれ以下の比率が挙げられます。
経済性(Economy):発電コストが安い「ベースロード電源」の比率
環境性(Environment):CO2を排出しない「ゼロエミッション電源」の比率
供給安定性(Energy Security):エネルギーの自給率に基づく「セキュリティー電源」の比率
世界のエネルギー源には、各国さまざまな特徴があります。
アメリカのエネルギー源の割合は、石炭や石油などの化石燃料が65%以上を占め、原子力は20%弱、残りが再生可能エネルギーを使用しています。
豊富な天然資源に恵まれている上、積極的に石油などを輸入していることから、化石燃料に比重が置かれていますが、近年では再生可能エネルギーの導入にも注力しています。
ヨーロッパに目を向けると、フランスが電力の80%近くを原子力に頼る一方で、イタリアは原子力を使用せず化石燃料による電力で60%を賄うなど、地域や国によってエネルギー事情も取り組みにも大きな差があることがわかるでしょう。
また、中国をはじめとしたアジア諸国では、化石燃料への高い依存が見られます。
特にシンガポールやインドネシア、マレーシアなどではエネルギーの90%前後を化石燃料に頼っています。
そして日本も、東日本大震災を受けて多くの原子力発電所が停止したことから、現在は電力の80%以上が化石燃料によるものとなっています。
しかし、昨今では、さまざまな補助金や助成金を制定することで積極的に再生可能エネルギーの導入を促しており、化石燃料からの脱却を目指しているのです。
次回の記事では、ターゲット3について解説していきます。