目標8.働きがいも経済成長も ターゲット7
世界には、有給、無給に関わらず、さまざまな形態で働いている子どもたちが多くいます。
これは子どもたちから教育の機会を奪う大きな要因の一つであり、喫緊に解決すべき問題です。
児童労働は、法律で定められた就業最低年齢を下回る年齢の児童によって行われる労働と定義されています。
国際基準の就業最低年齢は15歳であり、健康や安全、道徳を損なう恐れのある労働については18歳を原則としています。
この児童労働は子どもに身体的、精神的、社会的または道徳的な悪影響をおよぼし、教育の機会を阻害するという懸念があるため禁止されているのです。
日本では国際基準と定義のもとに国や企業などが児童労働をさせない取り組みを行っていますが、世界には子どもたちの成長に悪影響をおよぼす児童労働が存在します。
国際労働機関が公表している児童労働の現状によれば、2016年時点で5~17歳による児童労働者数は1億5,200万人とされており、うち7,300万人は危険有害労働を行っています。
これは世界の5~17歳の子どものうち10人に1人が児童労働に従事していることになり、児童労働者を男女別で見ても男子が8,800万人、女子が6,400万人と男子が多いものの、女子も相当数の子どもが児童労働者となっていることが伺えます。
さらに地域ごとに児童労働者数を見ると、アフリカで7,200万人、アジア太平洋で6,200万人、南北アメリカで1,000万人、ヨーロッパ・中央アジアで553万人、アラブ諸国で116万人という結果が出ているのです。
世界中の国々が児童労働の解決に取り組んでいる中、特にフィリピンとガーナは積極的な施策を打ち出しています。
ガーナでは「児童労働フリーゾーン制度」と呼ばれる施策を行っています。
同制度は、児童労働問題に対して総合的なアプローチで解決するための仕組みです。
この仕組みにより、児童労働がない地域、通称「児童労働フリーゾーン」を維持しています。
またフィリピンでは、児童労働撲滅のため、社会保障制度に力を入れています。
医療を無料で受けられたり、無償で大学に通えたりできるなど、教育や医療環境が整っています。
結果、子どもたちは技術や能力を身に付けることができ、就学率も高まって、成人後には安定した仕事につけるのです。
以上のように、諸外国では子どもたちの将来を見越して「人材的な価値」の向上に力を入れています。
次回の記事では、ターゲット8について解説していきます。