目標9.産業と技術革新の基盤をつくろう ターゲット3
開発途上国における中小企業の成長と繁栄は、地域経済の発展と雇用創出に欠かせない要素です。資金調達の困難や市場へのアクセスの限定など、これらの企業が直面する問題を解決するための取り組みが求められています。
バリューチェーンは原材料の調達から商品を顧客に届けるまでの一連の活動のことで、そのプロセスに「価値」を付け加え、分析していくことを意味します。
サプライチェーンと違い、企業活動に「価値」を作り、企業の強み・弱みを理解し、戦略を立てていくという目的があります。
製造業における一人あたりの付加価値は、欧米諸国では4,621米ドルに対し、開発途上国ではわずか100米ドルにすぎません。
開発途上国は、先進国に比べてハイテクノロジー分野で大きく差があるものの、農作物や衣料・衣服分野では、まだまだ潜在的に発展性があるといわれています。
企業や商品に付加価値を付け加える産業構造へ転換し、国レベルで産業を発展させていくことが求められているのです。
開発途上国は中小零細企業が多く、正規の金融機関から融資が受けられないことが問題となっています。
貧困層向けの小口融資、つまりマイクロファイナンスと呼ばれる融資では、金額の規模が小さく、十分なサービスが受けられません。
中小零細企業にとって金融サービスを利用できないことは死活問題でもあります。
このように金融サービスにアクセスできない層のことを「ミッシングミドル」といいます。
金融機関が対象にしない「ミッシングミドル」の発展こそが、国の経済発展や雇用創出、社会の安定に大きくかかわってきます。
「ミッシングミドル」の顧客を対象に、いかに金融サービスを提供するか、中小零細企業がビジネスを通して収入を得るだけでなく、いかに付加価値を高めて企業活動ができるかが、開発途上国の発展にとって重要なカギとなるのです。
次回の記事では、ターゲット4について解説していきます。