目標17 パートナーシップで目標を達成しよう ターゲット11
開発途上国の輸出拡大は、経済成長や雇用創出、貧困削減に直結する重要課題です。
特に後発開発途上国(LDC)は世界市場でのシェアが極めて低く、こうした国々が外部支援やパートナーシップを通じて輸出競争力を高め、市場参入障壁を取り除くことが求められています。
途上国の輸出は外貨獲得の柱であり、産業育成や雇用創出に結びつきます。
しかし、後発開発途上国(LDC)の世界輸出シェアはわずか2%前後にとどまり、先進国や新興国と比べて大きく遅れをとっています。
農産品や資源に偏った単一品目型輸出が多く、価格変動や国際需要の変化に脆弱です。
さらに、物流コストの高さや輸出手続きの煩雑さ、品質規格への対応不足といった要因が新規市場参入を阻んでいます。
こうした状況を放置すると、経済成長が停滞し、貧困削減や社会インフラ整備のための資金が不足し続ける恐れがあります。
したがって、持続可能な発展を実現するには、LDCの輸出基盤を強化し、その市場シェアを着実に伸ばすことが不可欠です。
国際機関や先進国は「Aid for Trade」プログラムを通じて品質管理や貿易インフラの整備、電子商取引環境の整備に資金と技術支援を提供しています。
例えば、バングラデシュでは繊維製品の品質研修と認証取得サポートを受けることで輸出額が急増しました。
次に、地域経済連携協定(RCEP〈東アジア地域包括的経済連携〉やAfCFTA〈アフリカ大陸自由貿易圏〉)の活用によって関税撤廃や非関税障壁の簡素化を進め、後発開発途上国(LDC)の製品に関税優遇を実現します。
さらに、中小企業向けには国際開発銀行や民間金融機関が低利融資や保証を提供し、資金繰りを改善する貿易金融枠組みを強化します。
最後に、オンライン商談会の開催やデジタル・プラットフォームを通じた市場情報の提供によって、LDC企業が世界中のバイヤーと直接つながる機会を拡大します。
これらの多面的な支援を通じて、LDCの輸出能力を底上げし、世界シェア倍増を目指します。
次回の記事では、ターゲット12について解説していきます。