SDGsとは

目標17 パートナーシップで目標を達成しよう ターゲット15

目標17 パートナーシップで目標を達成しよう ターゲット15

目標17.持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

持続可能な開発には、支援側と受け入れ側が対等な関係を保ちつつ、各国が自国の事情に応じた政策を立案・実施できる余地、いわゆる「政策空間」の尊重が求められます。

また、各国リーダーが自らのビジョンを掲げ、実行を促すリーダーシップも重要と考えられます。

ターゲット15 貧困撲滅と持続可能な開発のための政策の確立・実施にあたっては、各国の政策空間及びリーダーシップを尊重する。

政策空間の尊重が果たす役割

「政策空間」とは、国が自らの歴史や社会構造、経済状況を踏まえて、最適な政策を自由に設計・実施できる余地を指します。

外部支援が一律の枠組みで押し付けられると、地元の実情とずれた施策になりやすく、継続性や成果の定着が難しくなるおそれがあります。

例えば、農村開発支援で現地の土地慣習を無視したモデルを適用した地域では、住民の受け入れが進まず、プロジェクトが中断するケースが見られました。

一方、支援を受ける国自身が優先課題を設定したうえで外部知見を取り入れると、制度の定着率が向上し、長期的に安定した成果が得られると報告されています。

 

こうした事例から、政策空間を尊重することが効果的な開発支援の前提といえるでしょう。

 

リーダーシップ強化に向けた国際支援の具体例

リーダーシップとは、責任を持って政策を推進し、関係者を巻き込む力です。

国連開発計画(UNDP)は、中南米諸国で省庁幹部向けに「政策評価ワークショップ」を実施し、データに基づく意思決定手法の習得を支援しました。

参加者からは「公共投資の優先順位が明確になり、限られた財源を効率的に配分できるようになった」と評価されています。

また、東アフリカの一国では、EUと共同で地方自治体リーダー向けの研修を継続的に実施し、地域開発計画の策定から実行までをサポートしました。

その結果、自治体主導の小規模インフラ整備プロジェクトが増加し、住民参加型の運営モデルが定着しつつあります。

こうした能力強化プログラムは、各国リーダーが自国の開発ビジョンを発信し、国際協力パートナーと対等な関係を築くうえで大きな助けになると考えられます。

 

次回の記事では、ターゲット16について解説していきます。

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