目標17 パートナーシップで目標を達成しよう ターゲット16
持続可能な開発を進めるには、政府だけでなく企業、市民社会、学術界など、さまざまな主体が協力を深めることが重要です。
資金や技術、人材が限られる開発途上国では、知識やノウハウ、技術、資金を互いに補い合うマルチステークホルダー・パートナーシップが特に鍵となります。
マルチステークホルダー・パートナーシップとは、政府、国際機関、企業、市民団体、専門家などが役割と責任を明確にしながら協働する枠組みです。
各主体がそれぞれの強みを持ち寄ることで、単独では難しい課題にも取り組めるようになります。
たとえば、UNDP(国連開発計画)は水資源管理プロジェクトで政府、NGO、民間企業を結びつけ、技術導入から住民研修、保守体制の構築までを一体的に支援しました。
このように、プロジェクトの初期段階から関係者を巻き込むことで、現地に適した仕組みと持続可能性が高まります。
アフリカのある地域では、国際医療NGO、地元保健省、大学研究所、民間製薬企業が協力して遠隔地診療用プラットフォームを開発しています。
大学研究所は技術面を担い、製薬企業は機器の調達を担当しました。
NGOは現地での研修と運用ノウハウの移転を行い、保健省は制度設計や法整備を支援しています。
さらに、国際開発銀行からの低利融資が資金面を安定させ、現地政府も運営費を分担しています。
これらの取り組みによって遠隔地の診療体制が大きく強化され、妊産婦の死亡率も改善傾向にあります。
プロジェクトの成功には、初期段階から関係者全員が合意形成に参加し、明確な役割分担を徹底したことが大きく貢献していると考えられます。
次回の記事では、ターゲット17について解説していきます。