SDGsとは

目標17 パートナーシップで目標を達成しよう ターゲット19

目標17 パートナーシップで目標を達成しよう ターゲット19

目標17.持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

GDPは国の経済規模を示す代表的な指標ですが、教育や医療、環境保全といった持続可能性の側面を十分には反映できません。

2030年までにこうした多面的な要素を評価する新たな尺度を普及させるとともに、開発途上国の統計能力を強化する支援が求められています。

ターゲット19 2030年までに、持続可能な開発の進捗状況を測るGDP以外の尺度を開発する既存の取組を更に前進させ、開発途上国における統計に関する能力構築を支援する

GDP以外の指標開発の意義と動向

GDPは生産量を測る一方で、暮らしの質や環境負荷を捉えにくいという課題があります。

そのため、UNDP(国連開発計画)が提唱する「人間開発指数(HDI)」やOECDの「より良い暮らし指標」、ブータンの「国民総幸福量(GNH)」など、多分野を統合した複合指標が各国で注目を集めています。

さらに、自然資本や人的資本を含めた「インクルーシブ・ウェルス指数(IWI)」では、持続可能な富の総量を評価できます。

既存の指標を踏まえて、SDGsの環境保全、教育、健康、ジェンダー平等など多様な側面を統合的に把握できる新たな枠組みを2030年までに整備し、各国・各地域で比較可能性を高める必要があります。

 

統計能力構築支援の具体事例

多面的な指標を実用化するには、正確でタイムリーなデータが欠かせません。

国連統計委員会やPARIS21は開発途上国の統計官向けに研修を実施し、SDGs指標作成手法やデータ品質保証のノウハウを提供しています。

たとえば、UNICEFと世界銀行が協力した保健統計ワークショップでは、保健調査員を対象にモバイル端末を用いた研修を行い、遠隔地での出生登録や栄養状態データをリアルタイムで収集できる体制を構築しました。

また、JICAはバングラデシュ統計局と連携し、地方自治体向けに多次元貧困指数の算出研修とICTシステムの導入支援を行っています。

こうした能力構築は、GDP以外の新指標を正確に把握し、持続可能な開発の進捗管理を強化する基盤となります。

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