
1975年の創業以来、プラスチック原料の輸出入・リサイクル加工・コンパウンド加工などを手がける中部日本プラスチック株式会社(本社:静岡県浜松市)は、再資源化に長年取り組んできた企業として、持続可能な社会の実現に貢献しています。2023年からは、子どもたちを主役とした体験型環境イベント「エコネットフェス」を開催し、SDGsの観点からも注目を集めています。
リサイクルの「見て・さわって・考える」体験
「もともとSDGsという言葉が広がる前から、当社の事業自体がSDGsそのものでした」と語るのは、担当者の亀井さんです。創業当初から続けてきたリサイクル事業は、「つくる責任・つかう責任」(SDGs目標12)に通じています。同社では、こうした取り組みを次世代に伝えるため、「エコ育教室」や「エコネットフェス」といったイベントを展開しています。
2023年にスタートした「エコネットフェス」は、子どもたちが楽しみながら環境について学べることを目的とした体験型イベントです。海洋プラスチックを使ったうちわづくりや、プラスチック原料が入った重さ1トンの袋「フレコンバッグ」を活用した巨大迷路など、遊びを通じて自然とリサイクルの重要性に触れられる工夫が随所にちりばめられています。
「ゴミの分別は知っていても、なぜ必要なのかを知らない子どもが多い。だからこそ『なぜ』を一緒に考える時間が大切なんです」と亀井さんは話します。子どもが学び、家に帰って親に伝えることで、新たな理解の広がりにつながっているそうです。
社員の結束と地域との連携も生むイベントへ
開催を重ねるごとにイベントの規模は拡大し、社内にも大きな変化が生まれています。「全社員が関わらないと運営できない規模になり、部署の垣根を越えた連携が強まりました。同じ目標に向かって準備を進めることで、社内の一体感も増しました」と亀井さんは語ります。ビジネスの枠を超えて、理念を体現する取り組みとなっているそうです。
また、地域社会との関わりも深まっています。「これまで直接関わることの少なかった地域住民や企業との交流が生まれ、ブース出展を通じて新たなつながりもできました。普段の事業では出会えない方々との接点ができたことも大きな成果です」と話します。
「ハッピーなエコ」を次世代へ
今後は、さらに多くの子どもたちとその家族に届くよう、イベントの発展を計画しています。企業単体での取り組みに限らず、地域や他企業との連携も視野に入れています。「私たち一社だけでできることには限りがあります。だからこそ、周囲の力を借りながら『環境教育の場』をより広げていきたいです」と亀井さんは意欲を見せます。
同社の企業理念は「ハッピーなエコ」です。「自分たちだけが良ければいい」という考えではなく、関わるすべての人が前向きになれるような循環を生み出すことを目指しています。その循環が巡り巡って、やがて自分自身の幸せや豊かな暮らしへとつながっていく──そんな想いが込められています。
最後に亀井さんは、「子どもたちがより良い未来を自分の手でつかめるように、私たち大人や企業がその後押しをしていくことが使命です。今後も継続して形にしていきたいと考えています」と語ってくださいました。
目標12
つくる責任つかう責任