

静岡県では、障害福祉サービス事業所で働く人たちの工賃向上や安定した仕事の確保につなげるため、2023(令和5)年度から「福産品等SDGsパートナー認定制度」に取り組んでいます。
「福産品」とは、障害のある人が働く障害福祉サービス事業所などで作られた製品の愛称です。同制度では、県内の事業所から年間30万円以上の福産品を購入したり、役務の仕事を発注したりしている企業・団体を「福産品等SDGsパートナー」として認定しています。
制度創設の背景にあるのが、障害福祉サービス事業所の安定した売上の確保です。
福産品の販売や事業所での作業について、一般消費者向けの販売や単発の仕事だけでは、継続的な収入につなげることが難しいケースがあります。そこで県では、企業が福産品を継続して購入したり、役務の仕事を発注したりすることで、事業所が安定した売上を確保する仕組みとして同制度を創設しました。
対象となるのは、焼菓子や飲料、トイレットペーパーなどの福産品の購入だけではありません。清掃や除草、部品の袋詰め、梱包などの役務の仕事を障害福祉サービス事業所へ発注することも対象になります。
認定対象は、静岡県内に本社や支店、営業所、工場などがある企業・団体。県内の対象となる障害福祉サービス事業所などへの福産品の購入や役務の発注などについて、申請日の前年度の合計額が税込30万円以上であることが認定基準です。
認定されると認定証が交付され、企業・団体名が県の公式ホームページで公表されるほか、一部の県発注業務では入札時の優遇措置も設けられています。また、「どのような商品や仕事を依頼できるのか分からない」という企業に向け、県では福産品のWEBカタログや事業所名鑑を案内。複数の障害者就労支援施設への仕事のあっせんや仲介を行う共同受注窓口も設け、企業と事業所をつなげています。
静岡県障害者政策課の担当者は、企業から継続的な購入や発注を受けることで事業所の売上が安定し、そこで働く人の工賃向上につながると話します。
県では「静岡県工賃向上計画」を策定し、就労継続支援B型事業所の県平均工賃月額について、2026(令和8)年度に2万5,000円とする目標を設定。さらに、目指すべき目標工賃月額として3万円を掲げています。
仕事の広がりは収入面だけではありません。企業などに出向いて清掃や組立作業等の仕事を行う「施設外就労」につながる場合もあり、事業所の外で様々な仕事を経験し、地域社会との接点を持つ機会にもなります。
制度開始後、認定企業・団体は徐々に増え、2026(令和8)年度は44社・団体となりました。現在の認定企業・団体には、製造業や食品関連、運輸、サービス業など幅広い事業者が名を連ねています。
県では今後も、認定証交付式などを通じて制度の周知を図るとともに、県の入札における優遇措置を設けながら、参加する企業・団体を増やしていく考えです。
普段購入する商品や外部へ依頼している仕事を、地域の障害福祉サービス事業所につなげる「福産品等SDGsパートナー認定制度」。企業の日常的な活動を通じて、障害のある人の仕事や工賃向上を継続的に支える仕組みが広がっています。
目標1
貧困をなくそう
目標8
働きがいも経済成長も
目標10
人や国の不平等をなくそう