SDGs取組事例

藤枝市の物流会社が「竹の猫砂」 放置竹林問題の解決を目指す

藤枝市の物流会社が「竹の猫砂」 放置竹林問題の解決を目指す

日本物流株式会社

物流・倉庫管理を中心にリサイクル事業を展開する「日本物流」(静岡県藤枝市八幡)は2025年11月、放置竹林の竹を活用した猫砂「竹治郎の猫砂」を商品化しました。物流事業を主軸とする同社が、地域課題である放置竹林の問題に向き合う中で生まれた取り組みです。

同社は、新品タイヤや使用済みタイヤの運搬など、物流の仕組みを生かした事業を展開してきました。その過程で、家畜飼料をOEMで製造・取り扱うようになり、アグリ分野にも事業領域を広げていきました。

飼料開発を進める中で、OEM先の飼料メーカーの社長から、竹には乳酸発酵を促し、消臭効果が期待できることから、原料として活用してほしいとの提案を受けました。この提案をきっかけに、竹を活用した飼料の開発に取り組むことになり、商品化に至りました。

新社屋

竹を原料として扱うようになったことで、竹を取り巻く状況にも目を向けるようになったといいます。アグリ事業部部長の竹本忠重さんは、「放置竹林という言葉自体は以前から知っていましたが、実際に現場を見て、初めてその問題の深刻さを実感しました。このままではいけないという危機感を持ちました」と振り返ります。

こうした課題意識を持つ中で、飼料用途だけでは放置竹林の問題解決には限界があると考えるようになりました。そこで、より多くの消費につながる製品を模索する中で着目したのがペット市場。一般消費者に直接届けられる商品として、竹を原料とした猫砂の開発に踏み切りました。全く異なる業界への挑戦ではありましたが、試行錯誤を重ねた末に完成へとこぎ着けました。

「竹治郎の猫砂」は、浜松市のメーカーが開発した、竹を微細に粉砕できる専用機械で加工した竹パウダーを主原料としています。竹の高い吸水性と消臭力を生かし、100%天然由来素材で作られています。生分解性にも優れており、水に溶けやすく、使用後はトイレに流せる点も特徴です。さらに、静岡県産の緑茶を配合し、緑茶に含まれるカテキンによる抗菌・消臭効果を加えています。茶葉は袋詰め工場で廃棄されていたロス品を活用しており、資源循環の観点からも工夫を凝らしています。

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また、この取り組みは、「2025静岡SDGsビジネスアワード」にも採択されました。放置竹林という地域課題を広く知ってもらい、将来的には行政とも連携した取り組みに発展させたいとの思いから応募したといいます。採択後は、JAや森林組合、行政などとの新たなつながりも生まれました。

今後について竹本さんは、「この商品だけが売れれば良いという考えではなく、竹を使った商品が増え、放置竹林の問題そのものが解決に向かうことが目標です」と話します。将来的には、竹を買い取れるほど価値のある素材へと育てていきたいといいます。「当社の活動が、若い世代が地域課題に向き合い、挑戦するきっかけになればうれしいです」と期待を込めました。

 

商品情報

価格は1,540円(税込)。1袋5リットル入り。インターネットで販売する(今後は道の駅や量販店での販売を計画する)

SDGs達成を通じた取組み

目標11

住み続けられるまちづくりを

目標12

つくる責任つかう責任

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